大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
大腸がんを予防しましょう!
大切な家族の健康を守る大腸カメラ検査
1.大腸がんの死亡者数
日本人に胃がんが多いことはご存知と思いますが、最近は大腸がんにかかる方、大腸がんで亡くなる方が急速に増えています。
国立がん研究センター がんの統計2023
●部位別予測がん死亡者数
男性:28,500名
肺がんに次いで2位に上昇
女性:26,400名
2003年以来第一位の座に君臨
男女:158,000名
大腸がんの羅患者数(大腸がんにかかる人数)
大腸がんで亡くなる方は大腸がんにかかる方の35%程度なので、「大腸がんは早期発見さえできれば、治すことができる病気である」ということが言えます。
大腸がんの早期発見のために
2-3年に1回の定期的な検査 (大腸カメラ) をお勧めします。
ご家族の便通異常、血便や 腸閉塞症状 (腸が詰まって腹痛、嘔吐を起こす)、腹痛、腫瘤をふれる、などの
大腸の症状がもしも大腸がんから来ている場合、治療を行っても治らない進行がんであることが多いです。
一般的には早期大腸がんには殆ど症状がありません。
大腸がんの危険因子として
- 大腸がんにかかった人が家族にいる (危険率は2-3倍!)
- 大腸ポリープがある、以前にあったことがある
- 検診で便潜血反応が陽性
- 肉食 (特に赤肉) の偏食、高脂肪食、ヘビースモーカー、大酒家
などが挙げられています。これらに該当する方は積極的な大腸内視鏡検査が必要です。
大腸がんにかかる危険を減らす因子として
- 野菜、穀物、果物、ビタミンD、カルシウム、緑茶の摂取
- 運動の習慣 (運動は全てのがんの予防、老化の防止、認知症の予防、などに有効):確実!
「私は便の検査 (潜血検査) を毎年受けており、異常がないので大丈夫」の考えは危険ですので、治す事ができる大腸がんを発見するためには、症状のないうちに定期的な大腸カメラ検査を行うことをお勧め致します。
2.発見・診断可能な疾患と検査
1)発見可能な疾患:
大腸がん、(前がん状態である) 大腸ポリープ、大腸の炎症性疾患、痔、など、大腸の全ての疾患の発見と大腸ポリープの治療が可能です。
2)ポリープを切除する意義:
大腸内視鏡検査を受けてポリープが発見されると、(多くの場合) 同時に切除が可能であり、多くの早期がんは、内視鏡治療のみで完治することもできます。
●海外におけるこれまでの多くの研究から
大腸ポリープを切除することで大腸がんによる死亡者数を68~72%減らすことが出来ると
とされています。
●日本のガイドラインにおいても、大腸内視鏡検査で発見される大腸ポリープは積極的な内視鏡切除が強く推奨されています。
3.検査の辛さを軽減するために
大腸はくねくねと曲がりくねりながらおなかの中を1周する約2mの長い臓器のため、屈曲部を通過する際に、「おなかの張り、不快感、痛みなど」を伴う場合があります。
●大腸内視鏡検査が辛くなる原因
- 一般に女性では骨盤の形状、大腸の長さ(一般に女性で大腸が長い:便秘の女性が多い)から、男性に比べて大腸内視鏡検査が難しいとされています。
- 特に、帝王切開を含む腹部の手術を複数回受けた(女性の)方では、腸の癒着のため、内視鏡検査の適応とならない方がごく少数おられます。(但し癒着の有無は検査を行ってみないと分かりません)。
●麻酔による、苦痛の少ない大腸内視鏡検査
当院では「意識下鎮静」(ほぼ眠った状態)で苦痛の少ない大腸内視鏡検査が可能ですが、
- 重篤な呼吸器疾患 (肺の病気) や心疾患 (心臓の病気) のある方はこの方法はお勧めしません。原疾患の悪化が危惧されます。
- 終了後、回復まで2時間程度の安静時間が必要となります。
- 検査終了当日の車の運転はできません (麻酔の効き返しによる交通事故の可能性があります)。麻酔による内視鏡検査をご希望の方は、外来受診時にお申し出ください。
●細径内視鏡による苦痛の少ない大腸内視鏡検査
比較的細い内視鏡を用いることで、麻酔なしでも大腸内視鏡検査/治療を行うことが十分可能です。
●術者の技量
上部内視鏡検査に比べて、大腸内視鏡検査ではより高度な技術が必要なため、大腸内視鏡検査/治療における患者さんの苦痛の程度は、術者の経験や技量に依存する事が多いです。
4.大腸ポリープ、早期がんの内視鏡治療
大腸ポリープ、早期がんの内視鏡治療には全く痛みはありません。
内視鏡的ポリペクトミー
内視鏡的粘膜切除術
☆内視鏡治療は内視鏡を用いた手術に相当します。出血や穿孔(薄い穴が大腸にあくこと) 偶発症も生じうるため、内視鏡切除後は最低1泊の入院が必要となります。
5.当院における検査の特徴
専門家のチームによる
当院では、内視鏡施行30年以上の経験豊富な内視鏡学会指導医 (専門医を指導する立場) の医師とスタッフによる精度の高い安心の大腸内視鏡検査が可能です。旭川医科大学消化器内科学講座の教授、特任講師、内視鏡学会の前北海道支部長が担当させて頂きます。以前の大腸内視鏡検査が辛かった方もお気軽にご相談下さい。
- 最新技術の導入:当院では最新の内視鏡機器・検査技術を採用し、迅速かつ正確な診断を提供致します。
- 快適な検査環境:患者様の快適さを考えた検査室や回復室をご用意しております。
- 患者さんの負担軽減:辛くない内視鏡を行うための、麻酔による検査/治療が可能です※。
※麻酔による眠って行う大腸内視鏡検査/治療の施行には制限等があります。ご希望の方は診察時にお申し出ください。
便通の異常や腹痛、血便などの症状のある方、ご家族が大腸がんになられた方、症状が特にない場合でも日本人に増えている大腸がんが心配な方は、健康のために検査をお勧めいたします!